2020年東京五輪・パラリンピックでの競技会場について、大会組織委員会の森会長が、急に、仮設の施設整備は主催者である東京都が受け持つべきだと言いだし、急きょ、都、国、組織委の3トップが顔を突き合わせて検討を進めました。

もともと、競技会場は、国が国有財産の新国立競技場を、都が大会後も活用する恒久施設、組織委が仮設施設をそれぞれ担当する計画で始まったことは周知の通りです。

しかし、都は、トラブル続きの新国立競技場に国から応分の負担を求められ、組織委からは、大会運営費の想定が予想以上に膨大になったことで、仮設施設整備まで資金が回らないと泣きが入りました。

私は、何を今さらと言いたい。

まずは、もう一度、各組織の関係を整理して説明します。

いうまでもなく、五輪は都市開催であり、都が責任の主体であることは当然です。次に組織委は、オリンピック憲章に「NOC(JOC)と開催都市(都)がIOCから委ねられ、NOCが設立する」となっています。

東京の組織委では、森会長が元総理のため、国の付属機関と勘違いされやすいですが、組織委は、都とJOCが設立したいわば執行部隊といえます。一方、国は、国レベルでしかできない法整備や環境整備を助けるなど、都をバックアップする役割なのです。

財源的に責任を分ければ、組織委の財源不足は、基本的に都でフォローしなければなりません。国は、国有財産をはじめ国が整備すべき公共事業に責任を持つべきです。

前提となる役割が、曖昧にされているため、今のような押付け合いの発言が報道されるのです。

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