個人的事由により、1ヶ月余りブログ更新を休んでいましたが、再開いたします。
 
 さて、現在は、ロシアのドーピング違反問題が最大の関心事になっています。

 ロシアの国家主導によるドーピング問題については、すでに詳報されていますので省略いたします。

 現段階での注目点は、リオデジャネイロ五輪への参加を、国際陸連から認められなかったロシア陸上選手(68人)がCASに訴えている21日の判決内容です。(棄却された)
 さらに、IOCがそれを見極めた上で、ロシア選手団の参加を23日にも結論を出すといわれています。IOCは極めて難しい決断を求められることに間違いありません。
 特に、世界は、IOCがロシア選手団を全面除外できるか。ロシアが先手を打ってボイコットを宣言するのか。ドーピング違反の無罪を主張する選手の参加条件をどう決めるか、に注目しています。

 遡れば、アマチュアが参加原則であったオリンピック時代は、世界が東西冷戦期にあり、特にアメリカとソ連がオリンピックを代理戦争として、メダル数を競いあっていました。当時も、メダル数が国家と民族の優秀性を世界に示すという国家戦略を推し進めるために、時の為政者は国家予算を投入していたのです。
 なかでも、ソ連や東欧がアマチュアと称して「ステート・アマ」を国家で養成したことで、国際的に批判を受けてきた歴史はありますが、オリンピックにプロ選手の参加が当たり前になると、ほとんど聞かれなくなっていました。

 今回のロシア国家主導と報告されている集団的ドーピング違反は、「ステート・アマ」制度を彷彿、いや、それ以上にスポーツへの悪しき政治介入であります。

 オリンピック大会の持続可能性を揺るがす重大事案であることから、IOCは、オリンピックの将来を見据えて毅然とした判断を期待します。

 なお、この件については、すべての結論が出たときに、検証したいと思います。

【参考】
 「ステート・アマ(State + Amateur)」とは、主にアメリカ合衆国や西ヨーロッパ、日本などの資本主義国側から見て、ソビエト連邦や東ヨーロッパなどのかつての共産主義国でプロフェッショナルとして、一個人で報酬を得ない代わりに、国家から報酬・物質的援助・身分保障をされ、競技に専念できる環境を整えられたスポーツ選手を指した言葉。(Wikipediaより)