安倍総理は、5月3日の憲法記念日に、憲法改正について次のようにメッセージを発表しました。

 「私は、かねがね、半世紀ぶりに、夏季のオリンピック、パラリンピックが開催される2020年を、未来を見据えながら日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけにすべきだと申し上げてきました。」
 「2020年もまた、日本人共通の大きな目標となっています。新しく生まれ変わった日本が、しっかりと動き出す年、2020年を、新しい憲法が施行される年にしたい、と強く願っています。私は、こうした形で国の未来を切り拓いていきたいと考えています。」

 この中で、憲法改正は、2020年のオリンピック・パラリンピック(以下、オリンピック)をきっかけに、新憲法の施行年としたいと言われました。

 憲法改正は、いうまでもなく、未来の日本の方向性を国民総意で決めることであって、オリンピックをきっかけにすべきとか、2020年に新しく生まれかわる日本に必要であると主張されることは、違和感を覚えます。

 オリンピック開催と憲法改正の賛否・是非とはまったく関係がありません。なぜ絡める必要があるのでしょうか。オリンピック開催に批判的な人々を増やすことになるとは思わないのでしょうか。

 それでなくとも、これまでのオリンピック開催準備に関して、都民、国民から様々に批判を浴びてきました。その批判は、今でも継続中です。

 東京都と組織委員会は、現段階で、都民と国民にオリンピックの賛否を調査してみてください。おそらく怖くてできないでしょう。

 私は、憲法改正に意見を言っているわけではありません。オリンピックと絡めることについて、スポーツ界やオリンピック関係者から、ほとんど意見が聞こえてこないことを残念に思っているのです。