IOCバッハ会長は、スイスのローザンヌで開いた理事会で「7月24日の五輪開会を確信している」と語り、組織委員会の森会長と武藤事務総長が、「うれしかった。」「ホッとした。」と会見したことが報じられています。

 現段階での結論について、2人が記者会見を開いても意味がありません。理事会では、日本の対策を含めて理解を得ながら、一方でIOCから対策をさらに強化するようプレッシャーをかけられただけのことです。

 報道の中で注目すべきは、アダムス広報部長が「(東京で)開催されない理由がない。WHOによる渡航禁止の勧告はなく、パンデミックと認定もしていない」と判断の根拠を挙げたとされています。

 逆を言えば、今後、WHOが、渡航禁止やパンデミック認定、及びそれに類する事態になった場合は、中止もありうると言ったことになります。

 今のIOCバッハ体制は、会長が正論を強調し、IOC委員個人や事務局が、ブラフをかけるような想定を仄めかすのです。その意味では、組織がそれぞれ役割を分担しバランスをとるという意味で一枚岩になっているのです。

 ただ、バッハ会長が、「7月24日の五輪開会」と、強く日時を強調していることは、時期の変更だけはないといっている気がします。

 一方で、7月24日に開会するにしても、現段階で無観客対応や競技・種目のあり方などに言及することは、混乱や批判を招きますので得策ではありません。しかし、大会の内容変更については、IOC内部で様々な想定をしているはずです。

 いずれにしても、6月に東京で開催されるIOC理事会で最終決定するまでは、IOCの主張は変わらず進み、日本側に対しては、より強い対策を求めていくものとみられます。