パブリックビューイングは中止せよ!

 東大経済学部の先生が、示唆深い予測データを公表されました。

 「今夏の東京オリ・パラを中止した場合、この時の1日あたりの新規感染者は822人であり、開催しても、経済活動を中止した場合と同じぐらいに人流を抑えれば、感染者は20人増えるだけに止まる。だが、人流が2%増えると感染者が1046人に、6%増えると1600人に達する。」と計算しています。

 結局、五輪を開催しても、人流を増やさなければ、感染者数は中止になった場合とほぼ同様になるというのです。

 にもかかわらず、東京都と組織委員会は、大会期間中に、一か所に人を集める「パブリックビューイング会場(PV)」の設置を進めるとして、都立代々木公園の樹木の剪定作業を始めたのです。

 なんと愚かなことをするのか!この五輪開催反対の渦巻く中、せっかく、東大から「人流を完全に抑えれば、感染者は増えない」と示唆が出されたことで、少しでも、都民の感染懸念を和らげられると期待したのに、東京都と組織委員会は、人流を増やす「PV」を全国展開するとして真逆の準備を始めるとは信じられない。極めて愚かであり心外である。

 すでに再三、主張していますが、今夏の五輪は、「会場は無観客」「家庭内テレビ映像」「選手・役員の完全バブル方式」「ボランティアを含むすべての関係者のワクチン接種」でしか開催できないし、開催すべきではありません。さらに、「開会式は鎮魂の式典に変更」「海外医療団の国内受け入れアピール」「WHOの医療サポート」などに向けた働きかけも必要です。

 ところが、都と組織委員会は、真逆の行為で自らの首を絞め、開催が不能な方向に向かわせているといっても過言ではありません。

 さらに、楽天の三木谷会長が提案するように、新国立競技場を大規模ワクチン接種会場として、開催準備直前まで提供すべきであり、他のオリンピック会場施設も可能なかぎり提案を申し出るべきなのに、指摘されても動かない鈍感さに失望感が漂います。