スポーツ庁は、5月29日に、パリ五輪に向けて「持続可能な国際競技力向上プラン」を策定し公表しました。

 スポーツ庁の室伏長官は、この中長期的な強化戦略プランのなかで、2024年以降を見通した、強力で持続可能な支援体制の構築を目指し、この強化戦略プランを策定したと胸を張っています。

 このプランでは、2022年度までを、パリ五輪に向けた日本の「活躍基盤確定期」として位置付けたうえで、「JSC(日本スポーツ振興センター)」に、「HPSC(ハイパフォーマンススポーツセンター)」と、「JOC(日本オリンピック委員会)」、それに「JPC(日本パラリンピック委員会)」を含めた協働チームを設置してきました。

 この五輪関係団体に対して「スポーツ庁」は、今年の2023年度と2024年度を「パリ五輪」に向けた「ラストスパート期」と位置づけて、メダル獲得の最大化に取り組んでいます。

 なお、「2020東京五輪」における代表選手や代表チームの選定は、出場チームの選考が世界のIOCによって事前に決まっている競技団体もありました。しかし、日本代表チームの選定は各競技団体が独自に基準を決める方が多かったのです。

 パリ五輪の日本代表となる競技チームや選手が決まる「ラストスパート期」では、スポーツ庁は、日本の誰もが納得する選考方法を事前に公表して、パリ五輪に向けた「重点支援競技」として、競技成績による評価項目を決めました。また、個人競技においても、「東京2020五輪で優勝か、2023年3月までの世界選手権大会等で優勝を獲得した選手の評価区分を優先し、団体競技では東京2020大会で優勝か、あるいは2023年3月までの世界選手権で優勝したチーム」をSランクとして評価しています。

いまのところ、各中央競技団体から異論は出ていないようですが、最終決定期になると、疑惑や批判的な指摘が出ることを繰り返してきました。今回も、パリ五輪の代表チーム(者)の決定権に疑いがもたれる案件が発生しないように、各JOCは明快な決定基準等を事前に公表してもらいたいと願うのは私だけではないと思います。

 なお、前回の東京五輪では、招致段階からコロナ渦で強硬開催まで、自社の経営力を発揮してきた「電通」は、東京五輪での対応に批判を受け、すでに、2026年の愛知県と名古屋市で共催する「夏季アジア大会」では、一切かかわらないと公言しています。しかし、「電通」の狙いは明らかに「2024年パリ五輪」です。「電通」は、アジア大会で禊を済ませられると思っているのだろうか?

 パリ五輪への選手団派遣対応の初期段階から、注視する必要がありそうです。