【毎日新聞】今夏のリオデジャネイロ五輪のバドミントン男子で代表入りが確実視されていた桃田賢斗選手(21)=NTT東日本=と、2012年ロンドン五輪に出場した田児賢一選手(26)=同=の2人が東京都内のカジノ店で賭博をしていたことが7日、分かった。所属先のNTT東日本広報室は「2人が認めた。2人以外の複数の所属選手も入店していた」と明らかにした。

さて、プロ野球選手の野球賭博が一段落したと思っていたら、またぞろ、トップ選手の違法賭博が判明し、大バッシングを受けています。報道や記者会見での発言が真実であれば、本人たちに弁解の余地はなく処分は当然です。

しかし、テレビ画面等で、「裏切られた」「信じられない」「子どもの夢を壊した」「厳重な処罰を・・・」と声高に批判する大人たちは、一度、自分が21歳の時に、何をしていたか思い返してみたらどうですか。本当に、現在の自分と同じ分別力で行動していましたか?

私の年代でも学生時期は、雀荘やパチンコに入りびたり、飲みすぎてひんしゅくを買っていたスポーツ選手はたくさんいました。20歳台の自分を思い出すと「キャッと叫んでロクロ首」となり、人には言えない思い出のある人が少なくないのではないでしょうか。

確かに、違法賭博は次元が違う問題であることは自明の理です。しかし、この年齢の若者(特に、桃田選手)は、違法賭博とパチンコや競馬との差異をどれほどわかっていたのか疑問です。もし、危険な場所を認識して来ていたなら、賭博場で自分の身分をひけらかしてはいないでしょう。今日の記者会見を聞く限り、弁解させられているようで言葉だけでは計り知れません。おそらく、問題が発覚した時に、とんでもないことだったと初めて知ったのではないかと推察します。

彼らは、小学校時から競技生活に没頭し、高校を卒業後、大学や社会に出て遊んでいる同年齢の若者を横目に見ながら、今は我慢と自分に言い聞かせて頑張ってきたのでしょう。その結果、やっと日本のトップに登り詰め、賞金を含め年間3千万円を実力でつかみ取ったとしたら、その先は想像に難くありません。

いうまでもなく、彼らに情状酌量の余地はありませんが、彼らを指導し競技活動をサポートしていた競技団体までもが、彼らをバッシングする側に組するだけでいいのですか。

ジュニア層の選手を、競技生活に囲い込みしている指導者、競技団体、高校・大学も、今回の問題を検証し自分たちも猛省すべきではないですか。そのうえで今後の対策を十分議論すべきだと思うのは、私だけでしょうか。