韓国スポーツ法学会が開催する国際学術会議に招待されて、2月11日から4日間、江陵(カンヌン)市を訪れ、会議後に、アイスホッケー会場と選手村を中心に視察しました。

 日本の報道が取り上げている美女応援団や大規模な反対運動には、残念ながら(?)遭遇しませんでしたが、競技場周辺以外の交通網や駅、混雑地域では、淡々とした日常が繰り広げられており、国内全体が五輪騒動に巻き込まれているような雰囲気は全く感じません。

 しかも、開催直前には、体感したことがない極寒に遭遇するとの日本の報道を受けて、極寒対策の重装備を準備しましたが、肩透かしになるような普通の寒さでした。

 南北合同チームが話題になった「アイスホッケー会場(1万2千人収容)」では、カナダ対フィンランド戦を観戦するために並びましたが、それでも入場するまでに約1時間を要しました。
 幸い、体感温度は0度程度だったため、苦痛を感じませんでしたが、これが-10度以下であれば到底並んでいられなかったでしょう。

 今回の教訓は、極寒を酷暑に置き換えれば、東京五輪にも同様の対策が必要であることがよくわかります。来る東京五輪・パラリンピックでは、入場者数が冬季会場より数倍の会場が多く、相当の暑さ対策を講じなければ、入場までに救急搬送される観客が出ても不思議ではありません。

 なお、平昌五輪の入場券販売が芳しくないとの情報がありましたが、このアイスホッケー会場では、8割ほどの入場者数で、その半分は同じ学校の中学生(程度)のようでした。その子供たちは、1試合目の3ピリオドをすべて観戦せず、第2ピリオド終了後にクラスごとに続々と退場する光景を見ました。おそらく、授業代わりに動員されたのでしょう。

 また、江陵市にある選手村に移動しました。その高層ビル敷地内には入れませんが、選手村の入場ゲートの前まで来てみると、厳重な警備体制と思いきや、以外に簡易な仮設の入場口であり、警備環境にあまり緊張感は感じませんでした。

 この選手村も報道センターも、五輪後は分譲マンションで販売されるとのことですが、外観を見る限りは、そのまま住宅として分譲できるような作りに見えました。

 東京五輪の選手村は、民間事業者に建設させて、大会後に東京都が500億円の改修費をかけてマンションに整備し直す計画ですが、平昌の選手村を見ていると理解できない気持ちになります。
 さらに、晴海の都有地(約13.4㌶)を、近隣の地価に比べて10分の1以下の異常に安い約130億円で売却したとして住民訴訟が起こされており、今後の進捗が憂慮されます。