昨夜、IOCは、臨時理事会の開催とIFとの意見交換を行いました。

 その結果についてIOCは、「開幕4カ月以上前の段階で抜本的決断を下す必要はない。あらゆる臆測は非生産的だ」と表明して、現時点で計画を覆す決定は、時期尚早だと公表しました。

 この言葉がマスコミを賑わせていますが、注目すべきは、その後の言葉です。

 報道によれば、「IOCは大会開催が脅かされかねないと認めることを断じて拒否する代わりに、『前例のない状況』で『日々変化している』」と表現。開催か中止、あるいは延期するという大きな決断は、選手の健康を最優先に下されるとし、『金銭的利益によってIOCの決定が左右されることはない』と付け加えた」とされています。

 ここで、G7に同意を得た安倍総理が「完全な形で実現する」と表明したことと、IOCの思惑が一致していることが分かります。そして、延期論の現実味が増したことも読み取れます。

 さらに、「金銭的利益」とは、「放送権料に左右されている」との批判に対して、延期が必要であれば、アメリカの放送権取得のNBCとの交渉を強化するということを表明したと解します。

 IOCバッハ会長は、マラソンを札幌に移転させた時に、アスリートファーストを理由に強行したのではなかったのですか。これまでのIOCの感染症対策に対しては、アスリートファーストではなく、IOCファーストと批判せざるを得ません。

 なお、日本国内での聖火リレーは、3月26日から出発します。私は、この時点においてIOCがストップをかける懸念があるとみていましたが、まずは回避しそうです。