オリンピック競技大会は、約30種目の会場を整備しなければなりません。
最近、オリンピックの立候補都市が極端に少なくなってきた理由の一つです。
IOCは危機感を持って、「アジェンダ2020」を策定し、既存施設の利用など経費縮減を奨励しています。
しかし、過去の事例を見ても、仮設整備を含むすべての運営費が2兆円を超えることは避けられません。
今回の大会準備でも、3千億円が6倍の1兆8千億円に膨れ上がることだけが報道されれば、都民・国民は騙されたと思うのは当たり前です。
なぜ、財務全体のグランドデザインを公表しないのでしょうか。
グランドデザインは、次の3点をセットで説明すべきです。
① 大会運営全体に係る経費(高騰の可能性を含め)を詳細に情報開示する。
➁ 大会後には、都民の健康志向による医療費削減、人にやさしい都市機能の利便性、観光都市評価による経済効果、青少年の健全育成など、様々な社会的レガシーを数字的に説明する。
➂ 大会後に負債が残ったとしても、大会による経済効果、社会効果を説明し、負債をどのように計画的に償還するかを説明する。
すなわち、予想できる社会効果・経済効果による負債の計画的な償還方針とともに、将来的に持続可能なレガシー効果をセットで説明するようなグラウンドデザインを発表して理解を得るべきでしょう。